都市部に空き家は何故できてしまうのか

                  都市部に空き家は何故できてしまうのか

前回、都市部に人口が集中する理由ということを書きました。一方で、都市部においても空き家が増加する現象が実在します。これは、いくつかの複合的な要因によって起こっていることです。以下にその主な要因を挙げ、詳しく解説します。

 

 1. 高齢化と相続問題

多くの都市部の空き家は、高齢化と相続問題に起因します。高齢者が住んでいた家が、彼らの死後に相続されますが、相続人がその家に住む意思がなかったり、既に、他の場所に居住しているために管理が難しい場合、その家は空き家となることになります。特に相続人が複数いる場合、相続手続きが複雑になり、結果として家の処分が進まないことも少なくありません。

 

 2. 不動産市場の変動

不動産市場の変動も都市部の空き家増加の一因です。地価が高騰し、家を売却するタイミングを見計らっているうちに、市場が冷え込んでしまうこともあります。そうなると、売却を希望していた物件が売れず、結果として空き家のままとなってしまうのです。また、賃貸物件として出しても入居者が見つからないケースもあります。

 

  3. 建物の老朽化

 都市部の多くの家は建築年数が経っており、老朽化が進んでいます。老朽化した家は修繕やリフォームが必要ですが、それには高額な費用がかかります。所有者がその費用を負担できない場合や、修繕する意義を感じない場合、その家は空き家として放置されることが多いです。

 

4. ライフスタイルの変化

都市部ではライフスタイルの変化も、空き家増加の要因となります。若い世代は賃貸物件を好む傾向があり、所有することに魅力を感じない場合が増えています。また、テレワークの普及により、都市部に住む必要がなくなった人々が郊外や地方に移住するケースも増えています。この結果、都市部の住宅が空き家になることなどがあります。

 

5. 再開発計画の遅延

木蜜地域(木造密集地域)では再開発計画が進められることが多いのですが、権利関係の複雑さなどで、計画が往々にして遅延する場合があります。この遅延が発生すると、再開発予定地域の建物が空き家となることがあります。再開発のために住民が退去した後、実際の工事が始まるまでの期間、その地域には多くの空き家が存在することになります。

 

まとめ

都市部の空き家問題は、高齢化や相続問題、不動産市場の変動、建物の老朽化、ライフスタイルの変化、そして再開発計画の遅延など、複数の要因が絡み合って発生します。この問題に対処するためには、これらの要因を総合的に理解し、適切な政策や施策を講じることが大切です。例えば、相続手続きを簡素化する法律の整備や、老朽化した建物のリノベーション支援、ライフスタイルの変化に対応した都市計画の見直しなどが求められてます。また、相続人の意識の問題を公的機関で相談に乗れるような仕組みも必要となると思います。


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