「確定日付」というのをご存じでしょうか?これが意外と役に立つというか使える制度ですのでご紹介いたします。
確定日付は、公証人役場で特定の日にその書類が存在していたことを証明するものであり、単にその日にその書類が存在したという証明なのですが、さまざまな場面で法的な効力を発揮します。
特に不動産関連において、その効果は非常に重要で且つ便利な制度です。具体的な事例を挙げて説明したいと思います。
借地権の設定や変更
〇借地権契約書
借地権を設定する際に、その契約書に確定日付を付けることは長期の契約を行う場合非常に重要です。これにより、借地権契約が特定の日に成立していたことを証明でき、後日、契約の有効性を巡る紛争が発生した際にも確固たる証拠となります。
賃貸借契約
〇賃貸借契約書
賃貸物件の賃貸借契約書に確定日付を付けることで、契約の成立日が明確になります。こうすることで、賃貸人と賃借人の間でトラブルが発生した場合、契約の存在を確実に証明することができます。また、更新契約にも同様に確定日付を付与することで、更新の時期や条件を明確に証明できます。実際は、アパートやマンションの賃貸借契約ではほとんど利用しません。
抵当権設定
〇抵当権設定契約書
不動産を担保にローンを組む場合、抵当権設定契約書に確定日付を付けることが必要です。
これにより、担保としての不動産の権利関係が明確になり、他の債権者との競合を避けることができます。
売買契約
〇売買契約書
不動産の売買契約書に確定日付を付けることで、売買が特定の日に成立したことを証明できます。この方法で、売買契約の有効性や契約内容を巡る争いが発生した際に、法的な証拠として利用することができます。
遺産分割協議
〇遺産分割協議書
不動産が遺産として分割される場合、その協議書に確定日付を付けることで、協議が特定の日に成立したことを証明できます。
こうすることで、心境の変化があっても、一旦、特定の日に協議が成立してという証になり、相続人間での後々の争いを未然に防ぐことができます。このケースは、最も利用すべきケースです。
具体的なケースの例
〇地主が土地を貸し出す際に借地契約書を作成し、後々のトラブルを避けるために確定日
付を取得する。
〇賃貸物件の賃貸借契約更新時に、更新契約書に確定日付を付け、更新が確実に行われた
ことを証明する。
〇不動産を担保にローンを組む際に、抵当権設定契約書に確定日付を付け、他の債権者と
の権利関係を明確にする。
〇売買契約書に確定日付を付け、不動産の売買が特定の日に成立したことを証明し、後日
発生する可能性のある争いを防ぐ。
まとめ
確定日付は、不動産取引において法的な証拠力を高めるために非常に有効です。特に契約の成立日や権利関係を明確にする必要がある場面で、その効果は大きいです。不動産関連の念書や覚書などの書類に確定日付を付けることで、将来的な紛争を未然に防ぎ、取引の安全性を確保することができます。
ちなみに、確定付けを公証人役場で付与してもらうには、1件当たり700円です。
違法なもの公序良俗に反する内容でない限り、どのような書類でも付与しておもらえます。是非、利用してみてはいかがでしょうか。
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