「庭内神祀」とは、個人の屋敷内に設置された神社や祠を指し、特定の神様を祀ることで地域や家族の信仰を深める役割を果たしています。
多くは、稲荷信仰に基づくいわゆる稲荷様ですが、他にも不動尊、地蔵尊、道祖神、庚申塔などがあります。
現在、相続関係で相談をお受けしている方の家の邸内にも稲荷様があります。ご主人は、昔はちゃんと旗などを立て祭禮を行っていたが、今は何もしていないし、子供達も関心を示さないとのことで御霊をお返しして廃祀を考えているようです。しかし、家族構成の変化や後継者不在により、廃祀を考える場合はその意方法について慎重な配慮が必要です。
廃祀の際の注意点
1. 相談する
地元の神社に相談し、廃祀の手続きや方法を確認することが大切です。
2. 儀式の実施
単なる撤去ではなく、感謝の気持ちを込めた儀式を行うことが一般的です。お祓いやお
清めの儀式を行い、神様に失礼のないよう配慮しましょう。
3. 地域の伝承
地域に伝わる習慣や伝承に従い、適切な方法で行うこ
とが重要です。
邸内神祀のメリットとデメリット
1.家族の絆
神を祀ることで、家族や地域住民の意識の結束を深め
ることができます。
2.精神的な安らぎ
信仰の対象として、心の支えや安心感を得ることができます。
3.文化の継承
伝統的な信仰や習慣を通じて、地域文化の保存に寄与できます。
4.相続税評価の減額対象
自宅の敷地内に神社や祠(ほこら)がある場合、相続税法ではこれらのものも財産評価の対象と
なります。 このような庭内神しについては、墓所、霊びょうと同じく非課税財産とされていま
す。
邸内神祀のデメリット
1.管理の負担
維持や管理に手間がかかる場合があります。
2.後継者不在
信仰を続ける者がいない場合、継承が難しくなります。
3.変化する価値観
現代社会では信仰の重要性が薄れているため、家族内での理解が得られないこともあり
ます。
今後の祀り方を考える際は、これらの点を総合的に考慮し、地域や家族にとって最適な方法を選ぶことが重要です。まずは、地域の神社の神職に相談し、持続可能な簡略な祭祀の方法や、やむを得ず廃祀をする場合でも、相談をしてその指導に従って行うのが良いと思います。
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