禁煙物件なのにタバコの臭いが…入居者からのクレームと対応について

             禁煙物件なのにタバコの臭いが…入居者からのクレームと対応について   

 

当社が管理している賃貸マンションにて、「禁煙物件なのにタバコの臭いがする」と、新たな入居者様から入居1週間後にクレームがありました。
タバコの臭いが気になって眠れないということでした。

依って、退去するつもりであること。

今回の件は、これから物件をお探しの方や、すでに入居されている方にも関係のある話題ですので、当社の対応と考え方を共有させていただきます。

 

 

◆ 事の経緯

物件は「禁煙」であることを、募集図面および契約書にも明記。

前入居者の退去後には、専門業者によるルームクリーニングとクロスの張り替えを実施。
新たな入居者様が入居後1週間で「タバコの臭いがする」と申し出。
入居者様は、「これは契約違反だ」として、契約金の全額返金および次の住居が見つかるまでのホテル宿泊費の負担を求めてこられました。

◆ 当社の見解

まず、「禁煙物件」として募集し、契約書にも記載がある以上、前入居者が喫煙していたとすれば、それは前入居者側の契約違反となります。

ただし、すでに退去しており、私ども管理会社としても常時生活を監視することは不可能であるため、証拠が残っていなければ責任を問うのは難しい状況です。

また、退去後の原状回復工事として、室内クリーニングとクロスの張り替えを行っており、管理側として必要な対応は適切に実施しております。

にもかかわらず、残留臭などによってタバコの臭いが完全には除去しきれていないケースもあり得ます。これは「完全にタバコの臭いがゼロであること」を保証するものではないため、法的な観点からも、入居者様の求めるような契約解除および補償の義務までは基本的に発生しないと考えられます。

 

◆ クレーム対応の基本姿勢

お客様の不快感や不信感に対して真摯に耳を傾け、現地確認・再クリーニングなどの対応を誠意をもって行うことは大切です。

しかしながら、「ホテル代の全額負担」や「全額返金」といった過度な要求については、いわゆる**カスタマーハラスメント(カスハラ)**と捉えられる可能性があります。

このような場合は以下のような対応が望ましいでしょう。

 

◆ 具体的な対応例

  1. 現地確認の実施  → 臭いの状況を確認し、必要に応じて再クリーニングの提案。

  2. 書面での説明  → 禁煙物件であること、管理側の対応履歴(クリーニング・クロス交換)を    記録し、説明。

  3. 過度な補償は断る  → 「ホテル代の負担」「全額返金」などの要求には、丁寧ながらも毅然とお断りする姿勢が必要です。

◆ 最後に

入居後の臭い問題は、目に見えにくいだけにトラブルにつながりやすいテーマです。今後も当社では、募集時の情報開示や原状回復の徹底に努めてまいります。また、万一問題が発生した際も、真摯に対応しながらも、不当な要求に対しては冷静かつ適切に対応することが大切です。

上記は一般的な対応の一例であり、トラブルの内容や状況によって対応が異なることがあります。法的な判断が必要な場合は、専門家(弁護士等)への相談もご検討ください。

 

※東京都宅地建物取引業協会:不動産相談所 TEL 03-3764-8000 



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